味噌煮込み読本

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名古屋めしと味噌文化

Nagoya and Miso Culture

名古屋めしは“赤味噌文化”が生んだ発酵グルメです。濃厚なのに塩分は控えめ。豆味噌の深い旨みが、味噌煮込みうどん・味噌カツ・どて煮を唯一無二の名物に育てました。

赤味噌=豆味噌

大豆+塩だけを木桶で 2〜3年熟成。色は濃く、 旨み成分が白味噌の約2倍 と言われています。

名古屋めし代表例

味噌煮込みうどん…土鍋で直炊き

味噌カツ…八丁味噌だれが決め手

どて煮/味噌おでん/手羽先…甘辛みそでコク増し

歴史ひとくちメモ

江戸中期、岡崎・八丁村(現・愛知県岡崎市)で豆味噌が確立し、尾張藩の兵糧味噌として普及、大正に名古屋市内で“庶民のごちそう”へ進化しました。

1.赤味噌が名古屋で定着した理由

1.Reason

Reason01.

保存性

年平均湿度が高い尾張でも、塩分濃度の高い豆味噌は腐敗しにくく保存性が高い点

Reason02.

兵糧味噌の需要

尾張徳川藩が高タンパクで長期保存できる味噌を武家食として奨励された点

Reason03.

交通の要衝

東海道の物流ハブで桶味噌が全国へ出荷され、技術も発展した点

2.名古屋めし代表メニューと味噌の役割

2.Menu and Role

ポイントは、いずれも“強い旨味と甘み”で素材を引き立てる設計。塩分は意外と控えめで、高タンパク低脂質の豆味噌は栄養面でも優秀とされます。

料理

味噌の使い方

味の特徴

味噌煮込みうどん

だし7:味噌3で割る“合わせ地”

コシの強い麺に負けない深いコク

味噌カツ

八丁味噌+砂糖+出汁で練った甘辛だれ

肉の脂にコクを足しつつ後味さっぱり

どて煮

味噌+みりん+砂糖で牛すじを長時間煮込む

とろける食感とカラメル様の甘み

味噌おでん

昆布だし+味噌で煮て供する

具材に染みる濃厚な塩味と香ばしさ

3.味噌文化を楽しむスポット

3.Spot

岡崎

八丁味噌の郷
(カクキュー)

蔵見学とテイスティング

名古屋市

博物館
常設展

「尾張の食文化」に豆味
噌資料

大久手

山本屋
体験教室(当店)

「味噌煮込み手打ち体験」
「八丁味噌テロワール講座」

4.味噌煮込みうどんの美味しい食べ方

4.How to eat

Q. 土鍋が運ばれてきたらどうする?

フタを裏返して取り皿に

麺を底から持ち上げ、味噌出汁を馴染ませる

まずは何も入れずにひと口、味噌と鰹節の香りをダイレクトに感じることができます

Q. 生卵はいつ崩す?

生卵は、いくつかおすすめの楽しみ方があります。

1.たまご固め:崩さずそのまま卵に火が入るのを待って食べる

2.すき焼き風:卵をレンゲでフタに移し、麺と絡めながら崩す、味噌出汁を馴染ませる

3.すぐに崩す:すぐに崩して味噌出汁と混ぜながら楽しむ

4.ごはんの上に乗せる:味噌出汁が絡んだ半熟卵がご飯にピッタリ

Q.  薬味と相性は?

以下の薬味をおすすめしております。

ねぎ

…清涼感

(推奨タイミング)
中盤で味変しつつ口直し

七味唐辛子

…辛味・柑橘の香り

(推奨タイミング)
終盤のコク増しに
アクセント

山椒

…痺れと香り

(推奨タイミング)
油物トッピング時に
リセット効果
(おでんおすすめ)

Q. ご飯は頼むべき?

YES!
– 残った味噌出汁に追い飯をするのが、名古屋流〆雑炊。赤味噌の旨味と米の甘みで満足度が跳ね上がります。